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7863.佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第3回~上越新幹線・関越自動車道開通!ジェットフォイル登場にみる佐渡への高速アクセス実現

連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「 佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第2回~国鉄列車・夜行バスで行く佐渡の旅 」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第3回~上越新幹線・関越自動車道開通!ジェットフォイル登場にみる佐渡への高速アクセス実現」です。

昭和52年、佐渡汽船では初の高速船となるジェットフォイルの導入に踏み切りました。これは来たる上越新幹線・関越自動車道開通を見越したものとも言われています。上越新幹線は昭和57年、関越自動車道全通は昭和60年とジェットフォイル導入より後なので、佐渡汽船の方から先に高速化へのカードを切ったとも言えます。

ジェットフォイルは単なる愛称に過ぎず、正式名称はボーイング929です。ボーイングと言えば航空機メーカーのイメージですが、船舶も製造しています。元々は軍事目的で開発された高速船の技術を旅客用に応用した形態がジェットフォイルになりました。

記念すべき佐渡汽船ジェットフォイルの1号艇は「おけさ」と名付けられ、昭和52年から新潟両津航路に投入されます。日本で初のジェットフォイル導入になりましたので、佐渡汽船の社員がボーイングに研修に出向いたりして、ジェットフォイルのノウハウを学びました。

▼ジェットフォイル1号艇「おけさ」の模型
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さらに僅か2年後の昭和54年には2号艇の「みかど」が導入され、ジェットフォイル2隻体制となり、新潟両津航路の高速輸送が本格化しました。

▼ジェットフォイル2号艇「みかど」の模型
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今迄はカーフェリーで2時間以上かかっていた新潟両津間を、ジェットフォイルなら半分以下のたった1時間で航行出来る能力のある船で、まさに「海の新幹線」の名を欲しいままにしたかのような印象でした。

▼ジェットフォイル「みかど」の晩年の姿
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しかしそんなジェットフォイルにも欠点があります。それは自動車が積載出来ない点と小型船故にカーフェリーよりも欠航する確率が高い点です。

自動車客でもジェットフォイルに乗れるサービスがありました。それは自動車だけカーフェリーに乗せ、乗客だけはジェットフォイルで先に佐渡入りし、自動車を積載したカーフェリーが到着する前に佐渡観光を先に始めてしまえる離れ技的なサービスでした。しかし最近はこのサービスをHPでも見かけませんので、現在はやめてしまったのかもしれません。

荒波でもジェットフォイルを欠航にしない努力も見受けられ、乗客が少ない時期は乗客を船体中央部の座席には座らせず、船体左右の窓側に均等に座らせる事で船体のバランスを取っていた模様です。しかしこの努力も虚しく、実際に冬の荒波の航海で私の母がこの便に乗船し、ジェットフォイルが転覆するのでは無いか?と思えるほど、船体が大きく傾いた恐怖体験を母から聞いています。

▼このように海面から浮上して航行する。
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ジェットフォイルの快進撃は止まるところを知らず、さらに昭和61年には3号艇となる「ぎんが」が投入され、3隻のジェットフォイルで新潟両津間を1時間おきに運航が可能な状態になりました。

▼何故か「ぎんが」だけ塗装がコロコロ変わっていた。ピンクやグリーンになったり。
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時代が昭和から平成になると、次は4号艇となる「つばさ」が投入され、ジェットフォイルは4隻になりました。この「つばさ」は日本の川崎重工製で、川崎929とも呼ばれる点も特筆すべき点です。川崎重工と言えば、最近では25年振りにジェットフォイルの再生産を決めたそうなので、佐渡汽船からも再びジェットフォイルのオーダーが入るかもしれません。
最初「つばさ」が増えた時、1隻は新潟両津航路の予備扱いかと思ってましたが、2号艇である「みかど」を直江津小木航路に回す事で、同航路のカーフェリー・ジェットフォイルの2本立てにパワーアップを実現しております。

▼ジェットフォイル4号艇「つばさ」
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しかし直江津小木航路のジェットフォイルは長くは続かず、ジェットフォイルの老朽化や佐渡への観光客の減少もあって数年での運航期間のみに留まり、同航路は再びカーフェリーのみの運航に戻りました。

▼直江津小木航路は「ぎんが」が投入された時期も。
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他社から転属したジェットフォイルも登場しました。関西汽船から転属したジェットフォイル「ファルコン」5号艇も投入されました。しかし活躍期間は平成8年から平成11年と大変短く、佐渡汽船から九州郵船へ転属し、現在も現役で活躍している模様です。

佐渡汽船から退役したジェットフォイルは先述の「ファルコン」だけで無く、平成2年に1号艇「おけさ」、平成15年に2号艇「みかど」がそれぞれ引退しています。それと引き換えに6号艇となる「すいせい」が平成2年に就役しました。これは同じ年に引退した「おけさ」と同じ水色のラインで登場したので、「おけさ」の代わりに投入した船のようです。

▼ジェットフォイル6号艇「すいせい」
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ジェットフォイルの航路は現在は新潟両津航路のみですが、最近では臨時便として新潟小木航路でも運航されるので、ジェットフォイルで行く小木たらい舟日帰りの旅などといったプランも可能になったりもしました。

ジェットフォイルは全席指定席で椅子席のみです。座席は狭いですが、カーフェリー特等船室料金とほぼ変わらないので、まさに時間をお金で買うって感覚です。飛行機のコンコルドのファーストクラスがエコノミークラス級の座席なのと似た感覚に近いです。ジェットフォイル料金は特急料金込みとの記載があるので、佐渡汽船の特急とも言える船といった扱いとなります。

その特急の威力は十分に発揮され、30分以上前に出発したカーフェリーを途中で軽々と追い抜いてしまいます。カーフェリー船内でも偶にジェットフォイルが接近する旨の放送が入る場合があるので、その時はカーフェリーからジェットフォイルを撮影できるチャンスとなります。ジェットフォイルのパイロットによっては、カーフェリーに接近してくれるといった粋なサービスもありました。
▼ジェットフォイルの座席。
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写真ではわかりづらいですが、座席には2点式シートベルトがあります。搭乗中は常にシートベルトを締めていなければならないルールになっているので、飛行機のような感覚にも思えます。
さらにエンジンが飛行機に似た音だったり、座席配置もジャンボジェット機のような並び方だったり、飛行機によく似たイメージの船になっていますが、アテンダントさんの乗務や、ドリンクサービスは一切ありません。
▼リネンに座席番号が記されているのが特徴的。
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座席場所の指定も可能で、佐渡汽船HPや港の発券窓口でリクエストすれば、空席がある限り窓側・通路側に1階席・2階席の場所希望も聞いてくれます。
▼小田急ロマンスカーのような前面展望席も。
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ジェットフォイルは正に佐渡名物の扱いともなっており、佐渡のお土産屋さんで売っている観光地を紹介する絵葉書にもジェットフォイルの図柄が入っていたりもしました。昔は1/80ぐらいのスケールでジェットフォイル「おけさ」の模型も5,000円ぐらいで売られていたのですが、今は見かけなくなりました。

佐渡在住の親戚も新潟への買い物での足代わりにジェットフォイルを利用する事も多いとも聞きました。佐渡島民だけが与えられる島民割引証を見せれば、ジェットフォイル運賃も割引になるそうです。ジェットフォイルは佐渡汽船の顔とも言える存在なのではないでしょうか。
▼ここに速度とベルト着用サインが。
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次回は「第4回:離島航路初10000トンクラスのハイテクシップ!おおさど丸就航」の内容でお送りします。
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