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7940. 佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第7回~越佐海峡のエンターテイナー!?おけさ丸就航

連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「第6回~佐渡汽船に大ナタ!直江津小木航路縮小に船舶小型化へ」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第7回~越佐海峡のエンターテイナー!?おけさ丸就航」です。

平成4年に新潟両津航路に新造船が投入されました。その名はおけさ丸。初代ジェットフォイルの愛称を襲名しています。
▼おけさ丸
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総トン数5862tで定員1705名と佐渡汽船最大の船舶となります。最新鋭のときわ丸は総トン数5300tで定員1500名と小さめですが、これは直江津小木航路への転用も考慮したサイズになっております。

つまりおけさ丸は直江津小木航路への転用が出来ないサイズなので、新潟両津航路専属となります。新潟両津航路へはこさど丸を直江津小木航路に追いやる形で投入され、おおさど丸とコンビで新潟両津航路を回すことになりました。

おけさ丸の船内は上からスイートルーム・特等・1等椅子席・1等絨毯席・特別2等・2等です。特別2等は2等の指定席版でしたが、現在は廃止となっております。
▼おけさ丸の客室案内からも特別2等は削除されていた。
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特等船室は完全個室でビジネスホテルのツインルーム級の設備なので、2時間半の船旅にはもったいないぐらいの豪華さです。
▼テラスがある区画に特等船室。
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椅子席も絨毯の上にあるので、靴を脱いで入ります。
▼おけさ丸の1等椅子席。
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おけさ丸には佐渡汽船初となるイベントプラザも登場しました。船体後部にステージと客席が設けられています。こちらでは年中何かしらのイベントが開催されており、そのイベントを運営する佐渡汽船の子会社のサイトもある程の力の入れようです。佐渡名物の佐渡おけさや鬼太鼓を披露したり、歌手が出演したり、縁日が開かれたりなど、船旅を退屈させない工夫が凝らされています。
▼イベントプラザはこの位置にある。
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このイベントプラザはおけさ丸だけでなく、ときわ丸にもありますので、新潟両津航路の全ての便でイベントが開催できる事になります。
▼イベントプラザ(ときわ丸の写真で代用)
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イベントプラザは誰でも入れる場所にありますので、一番安い2等船室券でも行く事が出来ます。

おけさ丸も早いもので今年で就航27年目となり、今や佐渡汽船最古の現役船舶となりました。次に新造船が入ればほぼ間違いなく佐渡汽船を去ることになると思われます。サイズが大きいので、直江津小木航路への転用が出来ないので、おけさ丸もおおさど丸同様、新潟両津航路だけで佐渡汽船での生涯を終えそうな予感がします。

▼全長134mと、ときわ丸の125mよりも長い。
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おけさ丸はオフシーズンになると、広島の呉にある神田造船所に回送され、検査を受けます。神田造船所はおけさ丸を建造したメーカーです。その際は日本海を山口県沖までひたすら航行し、関門海峡に架かる関門橋の下を潜り抜けて瀬戸内海に入りますので、福岡県と山口県で佐渡汽船の船の写真が撮影出来るかなりレアなチャンスが巡って来ます。

おけさ丸はまだ引退は発表されていないものの、如何せん古い船なので、いつ引退になってもおかしくないぐらいの船になっていると思います。まだ佐渡汽船での活躍は見られそうです。

次回は「第8回~おおさど丸引退!丸窓新型カーフェリーときわ丸就航」をお送りします。
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7935.佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第6回~佐渡汽船に大ナタ!直江津小木航路縮小に船舶小型化へ

連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「第5回~直江津小木航路も大型化へ!カーフェリーの玉突き転配」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第6回~佐渡汽船に大ナタ!直江津小木航路縮小に船舶小型化へ」です。

前回は直江津小木航路にカーフェリーこがね丸とこさど丸が配置されたところまで触れました。こがね丸は3代目で、最初から直江津小木航路専用として投入された珍しい新造船でした。
▼直江津航路で地位を確立したかのようなこがね丸だったが・・。
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しかしこのカーフェリー2隻体制も長くは続かず、こさど丸の老朽化に伴い、2011年には退役に追い込まれます。最初は新造船を入れて置き換える話もあったようですが、佐渡汽船は既に赤字経営となっており、そんな余裕は既にありませんでした。

こさど丸は佐渡汽船から退役し、他社に売却となり、直江津小木航路はこがね丸1隻だけとなりました。こがね丸1隻だけになったので、当然直江津小木航路の便数も半減し、朝の便を逃すと15時ぐらいまで無いといった状態になってしまいました。そんなに直江津で待っていたら、直江津から新潟まで陸路で行って、新潟からの船に乗っても変わらないかもしれませんが。
▼他社に売却されたこさど丸。
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佐渡汽船の赤字状態はこがね丸1隻になってからも解消はされず、遂に同航路の廃止検討をも含めた協議が進められることとなりました。結果、幸いにも航路廃止では無く船舶のダウンサイジング化で同航路が存続されることで決定しました。

これに伴い、2015年に直江津小木航路に新造船が再び入ることになりました。それはオーストラリアのメーカーで製造された高速カーフェリーです。今迄のカーフェリーで約2時間半かかっていた航路を1時間も速い約1時間半で走り抜けることが可能な船で、大幅なスピードアップが図られています。

後継の船を従来のカーフェリータイプから高速船タイプに変えたのは、北陸新幹線開業を意識したとも言われています。

▼北陸新幹線はくたか号なら上越妙高駅に行ける。


実際に上越妙高駅から高速船に接続するバスも出ておりますので、都心から直江津経由で佐渡に行くルートも確立されております。
▼上越妙高駅と直江津港を結ぶ連絡バス。
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高速船導入決定の時点では、津軽海峡フェリーが所有していたナッチャンWorldを譲り受ける話もありましたが、それは佐渡汽船ではサイズがオーバースペックになることから導入を見送り、佐渡汽船に見合ったスペックのオーダーメイドで製造された船があかねになりました。
▼佐渡汽船への転用が検討されたナッチャンWorld。
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両者共瓜二つですが、ナッチャンは全長120m、あかねは全長90mとサイズにかなりの差があります。
▼高速カーフェリーあかね。
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2015年に高速カーフェリーあかねが佐渡汽船にデリバリーされ、それと引き換えにこがね丸が僅か10年で佐渡汽船から姿を消すことになりました。
つまりこがね丸の退役理由は老朽化では無いのです。こがね丸は全長120mで定員約1100名。あかねは全長90mで定員約600名。既にこがね丸の維持ですらも手を焼いていたのです。

佐渡への観光客が数10年前と比べても半分以下に落ち込んでおり、どうにもアクセスに難がある直江津小木航路に定員1000名の船は無駄と判断した結果が、ミニマムなあかね導入に繋がったのでしょう。

あかねと引き換えに引退したこがね丸は海外に譲渡されましたので、直江津小木航路はあかね1隻だけで回すことになりました。大型カーフェリー2隻で回していた航路が小型高速船1隻になってしまいました。
さらに寺泊赤泊航路も2005年にカーフェリーえっさ丸から小型高速船あいびすに置き換えられ、同航路での自動車での乗船は出来なくなりました。2005年から2015年迄の10年間だけで2隻ものカーフェリーが佐渡汽船を去り、船舶の小型化はかなり進んでいました。
直江津航路は高速カーフェリーあかね、寺泊航路は高速船あいびすと両航路で1隻ずつだけの配置となりました。両者共に小型船なので、欠航率がかなり高かったらしく、佐渡在住の私の親戚もあまりアテにしていなかった航路らしいです。
この時点で佐渡汽船は新潟両津航路をメインに注力していく方向に舵を切ったかのように思えます。
▼えっさ丸
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▼えっさ丸と引き換えに導入されたあいびす。
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次回は「第7回~越佐海峡のエンターテイナー!?おけさ丸就航」をお送りします。

7912.佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第5回~直江津小木航路も大型化へ!カーフェリーの玉突き転配


連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「第4回~離島航路初10000トンクラスのハイテクシップ!おおさど丸就航」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第5回~直江津小木航路も大型化へ!カーフェリーの玉突き転配」です。

佐渡汽船では新しいカーフェリーが投入されると、最初は新潟両津航路から投入される傾向があります。それに伴い、直江津小木航路に古いカーフェリーが転属になります。今回は直江津小木航路に高速カーフェリーあかねが投入される以前の時代でのその動きについての説明になります。

取り敢えず今回の説明で登場するカーフェリーの写真です。
▼みゆき丸
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▼おおさど丸(初代)
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えっさ丸だけ他社から譲り受けた中古船につき、他の佐渡汽船の船とはちょっと雰囲気が違うような気がします。売店が無く自販機だけしかないチープな設備の船だった印象です。
▼えっさ丸
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▼こがね丸(2代目)
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こがね丸とおとめ丸は姉妹船なので、形状が同等となっております。最初は見分けがつかないぐらいでした。
▼おとめ丸
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佐渡汽船初の8000トンオーバークラスのカーフェリーがこさど丸です。佐渡汽船で可動式車両甲板を初めて導入したカーフェリーでもあります。
▼こさど丸
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佐渡汽船初の10000トンオーバークラスのカーフェリーがおおさど丸です。
▼おおさど丸(2代目)
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おおさど丸とおけさ丸は港湾設備の都合で直江津小木航路への転用が出来ません。
▼おけさ丸
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こがね丸(3代目)はおけさ丸の姉妹船で、形状が似ています。新造カーフェリーにしては珍しく最初から直江津小木航路に投入されました。
▼こがね丸(3代目)
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それではカーフェリーの動きについて見てみましょう。
▪️パターンA(1973年頃)
新潟両津航路
おとめ丸・こがね丸(2代目)
直江津小木航路
おおさど丸(初代)・みゆき丸

▪️パターンB(1976年頃)
新潟両津航路
おとめ丸・こがね丸(2代目)
直江津小木航路
おおさど丸(初代)・えっさ丸

パターンBからみゆき丸が佐渡汽船から姿を消しており、愛称はそのままに近くの粟島汽船に転籍しています。引き換えに入ったえっさ丸は他社からの購入改造による投入なので、中古船となります。

▪️パターンC(1983年頃)
新潟両津航路
こさど丸・おとめ丸
直江津小木航路
こがね丸(2代目)・えっさ丸

パターンCはこさど丸が新造船として投入された後の配置です。押し出しでこがね丸が直江津小木航路に移っています。

▪️パターンD(1988年頃)
新潟両津航路
おおさど丸(2代目)・こさど丸
直江津小木航路
おとめ丸・こがね丸(2代目)

パターンDはおおさど丸が新造船として投入された後の配置です。直江津小木航路はかつての新潟両津航路での姉妹船コンビが復活しています。

▪️パターンE(1993年頃)
新潟両津航路
おけさ丸・おおさど丸(2代目)
直江津小木航路
こさど丸・おとめ丸

パターンEはおけさ丸が新造船として投入された後の配置です。押し出しでこさど丸が直江津小木航路に移り、直江津小木航路のカーフェリー大型化が実現しました。直江津小木航路は関西方面からの観光客の利用が多かったのも特徴的でした。

▪️パターンF (1995年頃)
新潟両津航路
おけさ丸・おおさど丸(2代目)
直江津小木航路
こがね丸(3代目)・こさど丸

パターンFでおけさ丸の姉妹船となる新造船こがね丸(3代目)が投入され、それと引き換えにおとめ丸が退役になっております。

直江津小木航路専用の新造船が入り、同航路の大型化が定着したのも束の間、この後は大きな試練が待ち受けていました。

次回は「第6回:佐渡汽船に大ナタ!直江津小木航路縮小に船舶小型化へ」をお送りします。

7902.佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第4回~離島航路初10000トンクラスのハイテクシップ!おおさど丸就航

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連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「 佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第3回~上越新幹線・関越自動車道開通!ジェットフォイル登場にみる佐渡への高速アクセス実現」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第4回~離島航路初10000トンクラスのハイテクシップ!おおさど丸就航」です。

昭和63年、佐渡汽船では初の10000トンとなるカーフェリー・おおさど丸を就航させました。見出し写真の船になります。今までのカーフェリーとうって変わって直線基調のフォルムで、登場当時はかなり斬新な印象を受けました。

船内は2等絨毯船室と特別2等絨毯船室・1等絨毯船室・1等椅子席船室・特等船室の構成です。おおさど丸では佐渡汽船カーフェリーでは初となる椅子席が登場しています。それは1等船室扱いなので、新幹線200系グリーン車の座席とよく似た風貌のリクライニング式の座席でした。1等船室は絨毯船室と椅子席船室のどちらも同じ料金でしたが、心なしか椅子席船室の方はガラガラだったような印象を受けました。

▼1等絨毯船室
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佐渡の方は椅子席よりも絨毯敷きの船室を好む傾向が強いです。たらい舟の船頭さんの方も椅子席は嫌いとおっしゃっておりました。佐渡在住の親戚から実際に聞いた話だと、足を伸ばせたり横になれたり、小さな子供が居る場合など過ごしやすいと言います。逆に椅子席だと狭いし酔いやすいとも言ってました。

船内設備は「スナックおおさど」なる船の名前が付いたレストランにゲームセンターもあり、2時間半の船旅を退屈させない作りになっております。2等船室にあったテレビからブリッジにある前方カメラでブリッジから見た前面展望中継も見られたり、今までのカーフェリーには無い装備もありました。
▼おおさど丸の案内図。
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特等船室に初めて新造時からテラスが付いたのも、おおさど丸が最初です。他の船もテラスがありましたが、それは後付け改造によるものでした。

おおさど丸は新潟両津航路に投入され、玉突きで同航路に就航していたおとめ丸が、直江津小木航路に転属しました。

佐渡汽船では新造船を新潟両津航路から投入する傾向がありますので、直江津小木航路は古い船ばかりになりがちです。東武に例えると新車だらけの本線と中古車だらけの野田線と似た感覚のようにも思えます。

とりあえず先に他のカーフェリーの写真です。
▼えっさ丸
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▼こがね丸
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▼おとめ丸
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▼こさど丸
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おおさど丸投入前のカーフェリー配置はこんな状況でした。

新潟両津航路
こさど丸・おとめ丸

直江津小木航路
こがね丸・えっさ丸

おおさど丸投入後のカーフェリー配置です。

新潟両津航路
おおさど丸・こさど丸

直江津小木航路
おとめ丸・こがね丸

わかりますでしょうか?船が一つずつスライドしているのです。最初は新潟両津航路だった船も古くなると古い順に直江津小木航路に転属するのです。当時の佐渡汽船の両航路はカーフェリー2隻ずつで回していました。直江津小木航路に居たえっさ丸は、おおさど丸投入で押し出される形で佐渡汽船から姿を消しております。その後のえっさ丸は海外に売却された模様です。

おおさど丸に転機が訪れたのは、恐らく2010年8月の出来事かと思われます。それはエンジン故障で欠航を余儀なくされます。丁度お盆休みの帰省ラッシュ時期と重なり大きく混乱しました。おおさど丸が使えないので、新潟両津航路のカーフェリーはおけさ丸1隻だけで回すしかありませんでした。その後も何度か修理を重ねたものの、状況はあまり芳しくなかったようです。

老朽化に加え故障が多いのもあり、おおさど丸は2014年4月にときわ丸と交代する形で佐渡汽船から退役し、海外に売却されました。

おおさど丸が直江津小木航路に転属する事はできないのです。それは10000トンクラスの船に見合った港湾設備が直江津と小木には無い事からです。おおさど丸は佐渡汽船では最初から最後まで新潟と両津だけを往復していただけのカーフェリーなのでした。大型船故に他航路への転配が出来なかったのも、引退を早めた一因なのかもしれません。

次回は「第5章:直江津小木航路も大型化へ!カーフェリーの玉突き転配」をお送りします。

7863.佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第3回~上越新幹線・関越自動車道開通!ジェットフォイル登場にみる佐渡への高速アクセス実現

連載記事・佐渡汽船カーフェリーの軌跡です。前回の「 佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第2回~国鉄列車・夜行バスで行く佐渡の旅 」に続き、今回は「佐渡汽船カーフェリーの軌跡・第3回~上越新幹線・関越自動車道開通!ジェットフォイル登場にみる佐渡への高速アクセス実現」です。

昭和52年、佐渡汽船では初の高速船となるジェットフォイルの導入に踏み切りました。これは来たる上越新幹線・関越自動車道開通を見越したものとも言われています。上越新幹線は昭和57年、関越自動車道全通は昭和60年とジェットフォイル導入より後なので、佐渡汽船の方から先に高速化へのカードを切ったとも言えます。

ジェットフォイルは単なる愛称に過ぎず、正式名称はボーイング929です。ボーイングと言えば航空機メーカーのイメージですが、船舶も製造しています。元々は軍事目的で開発された高速船の技術を旅客用に応用した形態がジェットフォイルになりました。

記念すべき佐渡汽船ジェットフォイルの1号艇は「おけさ」と名付けられ、昭和52年から新潟両津航路に投入されます。日本で初のジェットフォイル導入になりましたので、佐渡汽船の社員がボーイングに研修に出向いたりして、ジェットフォイルのノウハウを学びました。

▼ジェットフォイル1号艇「おけさ」の模型
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さらに僅か2年後の昭和54年には2号艇の「みかど」が導入され、ジェットフォイル2隻体制となり、新潟両津航路の高速輸送が本格化しました。

▼ジェットフォイル2号艇「みかど」の模型
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今迄はカーフェリーで2時間以上かかっていた新潟両津間を、ジェットフォイルなら半分以下のたった1時間で航行出来る能力のある船で、まさに「海の新幹線」の名を欲しいままにしたかのような印象でした。

▼ジェットフォイル「みかど」の晩年の姿
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しかしそんなジェットフォイルにも欠点があります。それは自動車が積載出来ない点と小型船故にカーフェリーよりも欠航する確率が高い点です。

自動車客でもジェットフォイルに乗れるサービスがありました。それは自動車だけカーフェリーに乗せ、乗客だけはジェットフォイルで先に佐渡入りし、自動車を積載したカーフェリーが到着する前に佐渡観光を先に始めてしまえる離れ技的なサービスでした。しかし最近はこのサービスをHPでも見かけませんので、現在はやめてしまったのかもしれません。

荒波でもジェットフォイルを欠航にしない努力も見受けられ、乗客が少ない時期は乗客を船体中央部の座席には座らせず、船体左右の窓側に均等に座らせる事で船体のバランスを取っていた模様です。しかしこの努力も虚しく、実際に冬の荒波の航海で私の母がこの便に乗船し、ジェットフォイルが転覆するのでは無いか?と思えるほど、船体が大きく傾いた恐怖体験を母から聞いています。

▼このように海面から浮上して航行する。
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ジェットフォイルの快進撃は止まるところを知らず、さらに昭和61年には3号艇となる「ぎんが」が投入され、3隻のジェットフォイルで新潟両津間を1時間おきに運航が可能な状態になりました。

▼何故か「ぎんが」だけ塗装がコロコロ変わっていた。ピンクやグリーンになったり。
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時代が昭和から平成になると、次は4号艇となる「つばさ」が投入され、ジェットフォイルは4隻になりました。この「つばさ」は日本の川崎重工製で、川崎929とも呼ばれる点も特筆すべき点です。川崎重工と言えば、最近では25年振りにジェットフォイルの再生産を決めたそうなので、佐渡汽船からも再びジェットフォイルのオーダーが入るかもしれません。
最初「つばさ」が増えた時、1隻は新潟両津航路の予備扱いかと思ってましたが、2号艇である「みかど」を直江津小木航路に回す事で、同航路のカーフェリー・ジェットフォイルの2本立てにパワーアップを実現しております。

▼ジェットフォイル4号艇「つばさ」
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しかし直江津小木航路のジェットフォイルは長くは続かず、ジェットフォイルの老朽化や佐渡への観光客の減少もあって数年での運航期間のみに留まり、同航路は再びカーフェリーのみの運航に戻りました。

▼直江津小木航路は「ぎんが」が投入された時期も。
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他社から転属したジェットフォイルも登場しました。関西汽船から転属したジェットフォイル「ファルコン」5号艇も投入されました。しかし活躍期間は平成8年から平成11年と大変短く、佐渡汽船から九州郵船へ転属し、現在も現役で活躍している模様です。

佐渡汽船から退役したジェットフォイルは先述の「ファルコン」だけで無く、平成2年に1号艇「おけさ」、平成15年に2号艇「みかど」がそれぞれ引退しています。それと引き換えに6号艇となる「すいせい」が平成2年に就役しました。これは同じ年に引退した「おけさ」と同じ水色のラインで登場したので、「おけさ」の代わりに投入した船のようです。

▼ジェットフォイル6号艇「すいせい」
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ジェットフォイルの航路は現在は新潟両津航路のみですが、最近では臨時便として新潟小木航路でも運航されるので、ジェットフォイルで行く小木たらい舟日帰りの旅などといったプランも可能になったりもしました。

ジェットフォイルは全席指定席で椅子席のみです。座席は狭いですが、カーフェリー特等船室料金とほぼ変わらないので、まさに時間をお金で買うって感覚です。飛行機のコンコルドのファーストクラスがエコノミークラス級の座席なのと似た感覚に近いです。ジェットフォイル料金は特急料金込みとの記載があるので、佐渡汽船の特急とも言える船といった扱いとなります。

その特急の威力は十分に発揮され、30分以上前に出発したカーフェリーを途中で軽々と追い抜いてしまいます。カーフェリー船内でも偶にジェットフォイルが接近する旨の放送が入る場合があるので、その時はカーフェリーからジェットフォイルを撮影できるチャンスとなります。ジェットフォイルのパイロットによっては、カーフェリーに接近してくれるといった粋なサービスもありました。
▼ジェットフォイルの座席。
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写真ではわかりづらいですが、座席には2点式シートベルトがあります。搭乗中は常にシートベルトを締めていなければならないルールになっているので、飛行機のような感覚にも思えます。
さらにエンジンが飛行機に似た音だったり、座席配置もジャンボジェット機のような並び方だったり、飛行機によく似たイメージの船になっていますが、アテンダントさんの乗務や、ドリンクサービスは一切ありません。
▼リネンに座席番号が記されているのが特徴的。
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座席場所の指定も可能で、佐渡汽船HPや港の発券窓口でリクエストすれば、空席がある限り窓側・通路側に1階席・2階席の場所希望も聞いてくれます。
▼小田急ロマンスカーのような前面展望席も。
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ジェットフォイルは正に佐渡名物の扱いともなっており、佐渡のお土産屋さんで売っている観光地を紹介する絵葉書にもジェットフォイルの図柄が入っていたりもしました。昔は1/80ぐらいのスケールでジェットフォイル「おけさ」の模型も5,000円ぐらいで売られていたのですが、今は見かけなくなりました。

佐渡在住の親戚も新潟への買い物での足代わりにジェットフォイルを利用する事も多いとも聞きました。佐渡島民だけが与えられる島民割引証を見せれば、ジェットフォイル運賃も割引になるそうです。ジェットフォイルは佐渡汽船の顔とも言える存在なのではないでしょうか。
▼ここに速度とベルト着用サインが。
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次回は「第4回:離島航路初10000トンクラスのハイテクシップ!おおさど丸就航」の内容でお送りします。
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スカイツリーと乗り物が好きなアラフィフに片足突っ込んだオッサンのブログです。

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